4/23/2013

vol.85 双葉町の問題

4月22日、前双葉町町長の井戸川さんも出席された、双葉町ネットの主催による参議院議員2名に対する説明会に参加した。

参議院議員会館の空港並みのセキュリティチェックを抜け、IDカードでゲイトを通って地下1階の会議室に入ると、すでに100名近い参加者で一杯だった。

井戸川前町長とお会いするのは初めてだったが、何度も映画やマスコミ報道でお顔は存じていたので、まったく初めてという感じはしなかった。

この説明会は、参議院代表質問のために、双葉町関係者の真実の声を聞きたいという議員の取りなしによって実現したものである。

発言者の中で、ひときわ注目を集めたのは、故郷の双葉町で除染作業に携わっている方の実態報告であった。この方は、仕事を辞め、大阪に家族を残して、妻と1年間の約束で除染作業員として働いている。以前の仕事に比べ、給料も10万円近く下がったという。

彼は、大阪でも仕事をしながらボランティアとして福島の復興のために活動していた。だが、その活動が、本当に復興につながるという実感が持てなかったことが、一大決心をした理由だった。

しかし、その実態は想像以上にひどいものだった。除染資格証は講習を受けずにその日に貰えたし、除染作業は、マスクこそ義務づけられているものの、普通の作業着のまま行われている。

また、除染を義務づけられているお宅に住んでいる方も、日常の生活を普通に行っている。

その庭先で作業を行うわけだが、まず、落ち葉をどけ、それをまとめて運んで行く。運んで行く先は、家庭ゴミを燃やす焼却場である。

次に表土をはがし、線量計で規定の線量にならない場合は山砂でおおって規定の線量にする。はがした表土は、パックに入れて、密封し、ブルーシートを掛けて庭先に置く。パックの耐用年数は、3年である。

学校の校庭でも同様の作業によって、校庭の隅に山となって積まれている。その周りにはロープが張られているだけである。

また、線量を定点的に観測するモニタリングポストの周りだけが除染され、近隣の自治体に比べ、低い線量が公表されている。

しかし、未だに原発からは放射能がまき散らされているため、この作業は、原発が停止するまで永遠に続けられることになる。

こんな作業に従事していても、彼は、大阪でボランティア活動をしていた頃に比べれば、双葉町のために自分がしていることを否定的にとらえてはいない。町のために何かをしたい、故郷のために何が出来るかを散々考えて出した結論だからだ。

そこには、無駄と分かっていてもやる、やることによってしか自分を納得させられないという思いがある。

除染作業員は、全国から集まって来ているが、彼のような思いを持って仕事に従事している人は少ない。

給料は日当にして1万数千円になるが、内訳は、危険手当分が1万円、給料分は数千円、安い人だと千円にしかならない。理由は、6次受け、8次受けが普通になっているからである。

埼玉県加須市の騎西高校には、未だに125人の人たちが暮らす事を余儀なくされている。そのほとんどの人は、月6万円ほどの年金で暮らしている。その中から、1日1100円を払い、1日3食の弁当代に当てている。

行き先がある人は、もうとっくに出て行って、残っていない。行き先がない人たちが取り残されているのである。

東電は、土地家屋に対する補償額を311以前の20%程度で提示している。金額にすると500万円にも満たない。これでは、代替えの中古住宅すら購入する事は出来ない。

まさに棄民である。

しかし、これらの問題は、双葉町だけの問題ではない事に気づく。他の原発立地自治体にも全く同じ事が起こるということである。

国も福島県も、線量を粉飾してでも、全国に散らばっている県民を呼び戻そうと躍起になっている。あたかもそれは、福島県民を被曝地に幽閉しておこうとするかのような施策である。

しかも、今なお高線量の町で暮らす子供たちがいるのである。子供たちは自分で行動を起こす事が出来ない。それを放置しているということは、国が国としての使命である、国民の安全と財産を守ることを自ら放棄してしまっていることを意味するのではないだろうか。

国民を守らない国の施策は、いずれ、双葉町のみならず、われわれすべての国民に降り掛かって来るであろう災厄を予見させて余りある。


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デジタルハリウッドeマーケティング講座講師を経て、現在、リンクアドLLC代表。サーモン・フィッシャー、環境小説作家。
2015年6月1日より、SAFETY&TASTYな食べ物の供給プラットフォーム開発に着手。